CMなんてのは、多かれ少なかれ
「そんな都合のいい話があるかいや」
と突っ込みたくなるようなシチュエーションや善男善女がうろうろしてたりする訳ですけども。
いやいやどっこい、うちの近所担当のクロネコヤマトの宅急便のドライバーさん(敢えて敬称付き)に限って言うと、下手すりゃCM以上なんでございますのよ。いつも親切丁寧で再配達の手配や受け答えも非常に感じが良く、我が家では日頃から
「あんな風に配達されると、品出しの時も『ヤマト使おう』ってなるよなあ」
と評判だったりするんです。実際、我が家からだと某ふんどし急便を扱っているコンビニの方が近いんですが、オークション等の品出しはついつい優先的にほんのちょっとだけ遠いヤマト扱いにしてしまう私たち。
我が家は一種の集合住宅で、狭くて急な外階段があるんですが。先日、ちょっと大き目の荷物が届いた時も、ヤマトのドライバーさんは、雨の中荷物が濡れない様に苦心惨憺しながら玄関先までしっかり運んでくれて、私が
「済みません、いつもありがとうございます」
と言うと、そんな風に労をねぎらわれた事に対してどこか驚いたような顔つきで
「いえいえ、これが仕事ですから」
とあっさり言ってのけて帰った訳でして。
その姿があまりにも感じ良かったんで、(いや、勿論それ以前の好印象の蓄積もあった訳ですが)ついに我慢できずにヤマトのサイトから逆クレームのメールを出してみた私。そうしましたら、「お褒めのお言葉ありがとうございます、担当地域にも連絡して一層の努力をするよう伝えます」とわざわざ返事メールまで頂いちゃったりしたんですね。ああ気恥ずかしい。でもまあ、日頃のドライバーさんの努力と誠意をちゃんと本部に伝える事が出来たのなら、多少の恥はまあいいか・・・とちょっと自己満足してみたりした訳でございます。
で、今日の話。
ぴんぽーん、とドアベルが鳴り、「お荷物でーす」と間延びした声。で、はーいと玄関先まで出てみると、そこには誰もおりませんで。え?と階段の下を覗いてみると、中年のおっさんが門柱に荷物を持たれかけさせて、ぼんやりと人待ち顔なんですわ。
実は先日、オークションでちょっとした食器を落札しまして、それが本日到着したらしいんです。で、
「あ、2階なんですけどお」
と声を掛けると、おっさん目線をこちらに向けて、
「判子下さい」
と一言。は?それは、荷物を私に下まで取りに来いという事ですかい?
仕方がないから、階段降りて取りに行きましたよ荷物。割れ物ですので梱包も少々大きめ、陶器ですからそれなりの重量も有り、という品物だったんですが、えっちらおっちら自分で玄関先まで運ばせて頂きましたとも、ええ。

ちなみに配送してくれたのは、「真っ向サービス」でおなじみの、先日公社化したばかりの例のあそこでございます。こんな調子じゃ、未来永劫民間には勝てんな。け。